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モンド・あほう ~Monde AFO~

どうにもこうにも、インドを旅する。【 5 】

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わかってはいたことだけれど、インドという国に私は飲み込まれた。



人の生き死を内包したガンガー(ガンジス河)の街・バラナシを経て、完璧にインドの空気感にアジャストできる。
バラナシ郊外のムガル・サラーイ駅で、地べたに座って列車を待つ。行き交う人々。物乞いの人の目線だ。

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バラナシからヒマラヤを臨むインド北部・ダージリンへ十数時間の列車の旅。
鉄道大国ではあるけれど、列車の遅れはあたりまえ。この時点で1時間の遅れ。結果的に3時間遅れてやってきた。

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インドにアジャストした私もさすがに戸惑う。満員、立ち乗り・・・
乗車前、駅のチケット売り場でエアコン付の寝台車を頼むと「自由席しかない」と駅の係員。
じゃあそれでいいやと、買ってみると、金額は250円ほど。・・・安い、なんぼなんでも安すぎる。1000kmの距離のチケット代としてありえない。はたして、自由席は貨車だった。しかもぎゅうぎゅう詰めで乗れないので、電車のデッキ部分に飛び乗ったという展開だ。

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列車は遅れたうえに、途中途中、どこかわからない真っ暗なインドの片田舎で停車を繰り返す。
夜通し立ったままで、しかもダージリンの麓の駅に着くのはおそらく翌日の午後だ。

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連載の【 1 】でも書いたが、「今さら、インドはいかがなものか・・・」の予感的中。なかなかエキサイティングだ。

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デッキにはたくさんのインド人がいて、走る列車のドアは全開だ。だから、落ちれば死ぬ。
日本人が場違いなことにデッキの端に立っている。痛いほどに彼らの視線を感じる。と同時に、
強盗ついでに突き落とされることも想定して、彼らと仲良くすることにした。そしたら、彼らが手持ちで用意していた
カレーを分けてくれる。水浸しのトイレの前、そのデッキの床に置かれたカレー。O・MO・TE・NA・SHI? 
自分自身をディープなインド式に再設定し直して、もちろん美味しく頂く。どんどんインドに飲み込まれてゆく・・・

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もはや、トコトン、やってやる。
みんなが濡れたデッキに持参の毛布を敷いて寝始めたので、私も念のために持ってきていた日経新聞を同じように敷く。
そして、一緒に折り重なって眠る。
5日前までは広いベッドに寝て、日本との飛行機はビジネスクラスを用意したのにね。郷に入らば郷に従え、か。

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翌朝。だいぶ乗客が降りて、席が空いた。
なので、車掌に言って、寝台席を取る。ようやく、インドにおける普通の列車乗車状況に回復したというところ。

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エアコンなしの2段寝台。外国人は乗っていない。
でも、貨車やデッキよりは天国のような空間だ。しばし落ち着いて眠ることができる。

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ダージリンに近づくと、柔らかくのどかな田園景色がひろがる。列車に乗って20時間近くになる。

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ようやくダージリンへの玄関口、ニュー・ジャルパイグリ駅に着いた時には夕方になっていた。
by targa8 | 2013-10-20 22:18 | ⇒インド